くりから工房~Blog (Archive & Search)

小さな骨の動物園

2011-01-31
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生き抜くための理想的なフォルム
環境に適合するためのフォルム…etc
長い年月を経て遂げた進化の形があります。

INAX booklet【小さな骨の動物園】という本では
そんな進化の美としての動物の骨格を見る事が出来ます。

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全身の骨格標本であれば生存時の姿や習性を想像出来ますし
頭骨だけでもその形状だけではなく、目の位置や向きなどを
その動物の生活環境と照合しながら見ると大変面白く
個人的にはモグラの骨格などはとても興味深かったです。

またヒトヅラハリセンボンの頭骨は(ヒトヅラというよりも)
河童のように見えてしまい、とても愛らしかったです。

作品の制作上、未だ克服出来ていないとある動物も
骨格に関してのみは直ぐに受け入れる事が出来ました。


別冊太陽 柴田是真

2011-01-30
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ちょうど去年の今頃でしたでしょうか…
三井記念美術館で開催された、幕末から明治にかけて活躍した漆芸家:柴田是真の展覧会に出掛けた際に図録代わりに購入した本が【別冊太陽 柴田是真】です。

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(個人的に)図録ではなく、こちらを購入したのは
王子稲荷神社に奉納されている「鬼女図額面」という
板に描かれた絵画が取り上げられていた点に尽きます。

漆芸家より先に絵師としての評価を得たというだけに
鬼女が逃げ去る瞬間(振り返る姿)を捉えた構図には
まるで真蛇のような迫力ある形相で威嚇しながらも
どこか達成感のようなものを読み取る事が出来ます。

勿論、漆芸家としての偉業はここに書くまでも無く
春景・秋景の2枚の替蓋のある重箱での「青海波塗」、
紙に「紫檀塗」という技法を用いた騙し絵や
竹に漆塗を施した肩衝茶入の騙し漆器など
変塗(かわりぬり)を用いたユニークな作品と
その技法に関する記事なども大変興味深いです。


別冊太陽 柴田是真

2011-01-29
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二十年に一度の造替という、他に例のない伝統保存により
『唯一神明造』と呼ばれる(掘立柱に萱の屋根が特徴で
他の神社で使う事が許されない)独自の建築様式は
弥生時代における高度な建築物の姿(原形)を今に伝える
神宮の永遠性を実現する大いなる営みとされています。

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第六十一回式年遷宮記念(1993年)に合わせて
『伊勢神宮』が特集された月刊太陽(平凡社)では
(通常は写真や映像などでも見る事が出来ない)
「内宮正殿」が一部公開されています。。。

進化は全てにおいて要するものではなく
そこには忠実なる伝統の継承によって
正統に保持されるものがあります。


日本・中国の文様事典

2011-01-28
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くりから工房を始めて直ぐの頃に購入した
日本・中国の文様事典】という図録集です。

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色々な文様がランダムに掲載されている図録集は
それまでにも2冊ほど所有していたのですが
この図録集は、モチーフごとに明快な説明が添えられており
掲載されている文様よりも、イメージを膨らませる為の
ストーリー作りとして主に活用させて頂いています。

もう10年以上手元にありますが、その時々の興味に対して
多くの導きを示してくれた入口の1つであります。。。

最新作の『迎え兎』のキーワードにある「花兎」も
この文様事典の中で見つけたワードの1つです☆


図鑑 日本の文様美術

2011-01-27
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本日紹介する本は1969年(昭和44年)に出版された
毛利登氏:著【図鑑 日本の文様美術】という図録集です。

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この図録集は、平安時代後期に至って完成をみたとされる
日本独自の和風化した文様が、縄文時代から江戸時代までの
時代ごとに配列されているので、1つの文様が形成されるまでの
経過や変換などを時代ごとに追うように見る事が出来ます。

かつて、こういった図録集を参考に見る際などは
文様そのものを断片的、部分的のみに捉えていましたが
そもそも文様のみが単独で存在する事はあり得ない事であり
文様が施されている主体との関連を考えるきっかけとなりました。


Morgan Fisher / rebalance ~モーガン・フィッシャー/リ・バランス

2011-01-26
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想作作業中に流れているBGM集の中から
一番最初に手にしたフュージョン系のアルバム
モーガン・フィッシャー氏【リ・バランス】を紹介します。

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未だ日本でヒーリングミュージックというジャンルが
あまり浸透していなかった20代の中頃(1995年頃)
ロック→ブルース→ワールドミュージックの流れの先に
何故か必然的に辿り着いたのがこの作品でした。。。

「エネルギーが蓄積されてゆくような感覚を覚えた時に
感じられる音楽」という存在を知り、永く愛聴しています。

音の潮流に邪念が取り払われ「無」へと誘ない
広がる音に清らかに包まれるような感覚は
ひょっとしたら母体に身を預けていた頃のような
居心地の良い温かい感覚に近いかもしれません。

【メモ】
Functional Musicとは・・・
音楽には心身の状態を一定の方向に導く働きがあります。
ファンクショナル・ミュージックとは、この特性を
最大限に引き出すように作られた音楽です。
(1994年盤:帯より抜粋)


美の世界~池田重子

2011-01-24
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昨日に続き、もう1冊池田さんの本を紹介しておきます。

池田重子氏:著【美の世界

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数年前、御縁があって池田さんとお会いした日に
御同行して下さった方から頂いた本です。

池田さんは宝石の中では翡翠が最もお好きだそうで
お会いした日も大きな翡翠の指輪を着けておられ
指輪を着けた手を差し出して見せて下さいましたが
この本の中に「翡翠のコレクション」も掲載されています。

取材時の池田さんの言葉が忠実に本に掲載されているようで
お会いした時に話して下さった事も多くありました。

【メモ】
池田さんにとっての「美」とは…
粋が過ぎると下品になり、はんなりが過ぎると野暮になる。
そのギリギリの線を見極めて、断崖絶壁を歩く時のような
危なっかしいものは、人の心を魅了する力があります。
(池田重子の「美」を知るより抜粋)


日本のおしゃれ 帯留 ― 池田重子コレクション

2011-01-23
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くりから工房で帯留を取り扱い販売するようになった翌年に
とても美しい本が発売され、勉強させ頂いております。

池田重子氏:著【日本のおしゃれ 帯留―池田重子コレクション

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池田さんの帯留コレクションがアールヌーヴォー・アールデコから始まり
木彫、漆芸、象牙、彫金、硝子、鼈甲などの項目ごとに掲載されており
非常に見やすく、気品あふれる本としてまとめられています。。。

特に刀装具の彫金職人師方が、廃刀令の布告と共に
帯留などの装身具の制作に新たな活動を見出した品々は
日本人の大らかさとキメ細やかさが見事に反映されており
掲載されている作品を眺めているだけで心が彩れらます☆


世界シンボル辞典

2011-01-22
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「あらゆるものには意味がある」
くりから工房を始める前の20代半ば頃
そんな事を教えてくれた本と出逢いました。

J・C・クーパー氏:著【世界シンボル辞典

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新作を制作するにあたり、そのイメージ作りに活用したり
オーダーメイドでこちらから御提案させて頂くような時
御依頼主様にちなんだシンボルを探し出す際に使用したりと
くりから工房においても随分お世話になっている本です☆

言葉遊びのように、関連するシンボルがめくるめく展開し
1つのシンボルに辿り着いた時は必然性を感じると共に
絶対的な自信を持って御提案させて頂いております。

【メモ】
シンボル体系とは認識の道具であり
最も古く、かつ根源的な表現様式であって
それ自体は媒介的なものであるが
これを通して直接的理解に到達できる。
(箱書きより抜粋)


ヴンダーカンマーとは

2011-01-21
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昨日ヴンダーカンマーというワードが出ましたが
日常ではあまり聞き慣れないワードかもしれません。

ヴンダーカンマーとは・・・

そんな博物館や美術館の前身とも言える
収集家の珍奇な蒐集品が展示された陳列室と
奇妙でストーリー性あふれる品々について
記されている本がありますので紹介しておきます。

小宮正安氏:著【愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎

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特に奇妙な「妖かし」の品々に惹かれる者として
脈絡も無くただ雑然と展示されているそれは
幼少期から蒐集癖が身に覚えにあるだけに
この本には「自身の心当たり」がくすぐられました。


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