浅草寺の雷門(風雷神門)に祀られる風神・雷神像は
京都の三十三間堂「風神雷神坐像」に次いで興味深い。
風神・雷神像については、また別の機会に触れるとして
今回は雷門の裏側に祀られる「天龍」と「金龍」・・・
特に天龍像に軽く想いを巡らせてみたいと思います。
人が多い所が苦手なので15年前に行ったきりでしたが
この5カ月で2度、浅草に出向く用事があったので
ついでに雷門をジロジロ観光(笑)してきました。
15年前は、全く琴線に触れなかったのですが
今回、風神の裏側に奉安する天龍を見た瞬間
まるでアラビアンナイト(千一夜物語)にでも
登場しそうな表情に一気に心を奪われました。
漫画の台詞のように吹き出しをつけるのであれば
「ご主人様、お任せあれ!」がぴったりだ(笑)
平櫛田中作の天龍(因みに金龍は菅原安男作)は
頼りがいのあるというか、自信に満ち溢れた表情で
頭には一角のようなものが確認出来るので一角龍か?。
浅草寺のHPによると「この両像は水をつかさどる
龍神さまであり、浅草寺の護法善神」とある。
鎌倉時代以降、現在地に移築された際に
伽藍守護(風水害や火災からの除難)を祈願して
風神・雷神像が初めて登場(奉安)されたが
1865年、田原町の大火によって門が焼失した際に
風神・雷神像も頭以外の部分を焼失してしまい
1874年に補刻、1960年に修補彩色されたという。
その後、1978年になって天龍・金龍像が寄進される事となったのだが
それは風神・雷神像をもってしても慶応の大火を防げなかった事から
雷門の背面(風神・雷神像の後ろ側)からも強化しようと
水をつかさどる龍神の化身である天龍・金龍像を奉安し
更なる守護がなされているとでも考えるべきだろうか・・・。
そうして考えてみると、あの天龍像の表情から
「背後から攻めようったって、そうはゆくまい!」
とでもいうような表情に思えてきました(笑)
さて、天龍像の作者である平櫛田中氏の意図は如何に。。。
現在制作中のマリッジリングの目処が付いたら
平櫛田中彫刻美術館に行って来ようと思う。
~・~・~・~・~・~
訂正(2012年10月15日)
当ページにおいて、天龍像の作者を平櫛田中氏と記したが
平櫛先生のお孫さんで、平櫛田中彫刻美術館の平櫛弘子館長に
お伺いした所「天龍、金龍」共に作者は菅原安男氏であり
各像の横にある「天龍、金龍」の書が平櫛田中氏の筆によるもので
「天龍、金龍」像において平櫛田中氏は監修という立場にあられて
制作に関わられたとのお話を伺いましたので、ここに訂正致します。
詳しくは「平櫛田中」展~其の弐(雷門「天龍、金龍」像の真相)を御覧下さい。
結果(成果)的に、この1年は水面下での活動がメインでした。
「店舗を閉鎖した今だから取り組める事があるんじゃないか」
様々な優先順位がある中で、そういった御教示なども受け
そちらの期待に応えるアクセサリーを作らせて頂いたり・・・
あとは、勿論これは嬉しく大変有難い意味でもあるんですが
体調を心配して下さりながらも、放っておいてはくれない(笑)
そんな方々のオーダーメイドをコツコツ取り組んだり・・・
そうこうしているうちに1年が経ってしまいました。
間もなく13周年を迎え「何かやるんですか?」といった
御質問を9月になってから頂くようになりましたが
本人が13周年の事などすっかり忘れていた次第でして
「今さら何か出来るかな?」と少し考えてみました。
延び延びになっているウェブショップをリニューアルしようと
時間を見つけてはアートワークを中心に作っていたのですが
そちらを約2日間限定にて公開させて頂く事にしました。
新作発表と絡めながら再開出来れば良かったのですが
今週になって急に決めた事でしたので今回は間に合わず
工房の閉鎖前後にリリースさせて頂いた3アイテムを
オープニング・プライスにて御紹介させて頂きます。
※ページを御覧になられるには会員登録が必要です。
【倶利伽羅応龍ペンダント】
(→モバイル用)
【スプーンのペンダント】
(→モバイル用)
【人魚と月のペンダント(β)】
(→モバイル用)
今後は期間限定で受注販売するスタンスにて展開して参りますが
未だ未だ一定期間の再開をするには慎重な部分があります。
不備も多い(決済方法が銀行振込の前払いのみ等)サイトですが
1年(以上か!)ぶりの期間限定公開になりますので、
週末のお時間のある時に御覧になって頂ければと思います。
↓ ↓ ↓
quricala web-shop
※ページを御覧になられるには会員登録が必要です。
☆画像は13年の時の経過を感じさせる現在の看板の状態です♪
「三の丸尚蔵館で面白い根付が展示されている」とのお知らせを受け、最終日の昨日になって、ようやく行くことが出来た。
第58回展覧会「珍品ものがたり」@三の丸尚蔵館
作品の背景にある様々な経緯、例えば作品の成立から今日までの
伝承や物語的な部分にまで焦点を当てて珍品が紹介されていました。
お目当ては超絶彫技による根付「象墜(しょうつい)」
(小島とう山、30歳の時の作品~1823年)
※図録によると象墜とは象牙で造った根付を意味する、とある。
この根付と共に「象墜記」というものが残されており
根付自体の意匠は『枕中記』より盧生の夢の情景とされ
約3.5×5×3cmという小さな(根付としては大きめ)中に
幾つもの楼閣が彫り込まれ,更にそこには人々をはじめ
様々な動物などが、精緻を極めた表現でなされている。
この根付は浦井氏蔵とあるが、おそらく明治初期までに
「象墜記」と共に有栖川宮家に伝来、その後に高松宮家、
そして高松宮殿下が日本美術協会の名誉総裁をなさっていたので
昭和7年に日本美術協会展覧会でこの「象墜」が展示されたのと
同年の『日本美術協会報告』第二十五号に掲載された事で
世に広く知られることになったらしいです(扇蔵様より)。
こういった様々な背景の元で品々が生み出され
そして伝えてきた人々の想いに心を寄せ
その「ものがたり」を楽しむという展覧会です。
今後シリーズ化して欲しい展覧会です☆