レース模様がモチーフのネックレス、ブレスレット、ピアス、イヤリング4点セットのオーダーメイドで、豪華なオリジナルデザインはカスタムメイドならではのジュエリーに仕上がりました。
一番最初にこの御題(ご注文)を頂いてから
丸々3年掛かりで完成したチョーカーネックレス。
パーツのラフデザインだけで50案近く描き
そこから8案に絞って御提案させて頂きました。
どのデザインもレースの繊細さを意識していましたが
それを単純に金属に置き換える事はなかなか困難で
金属の装飾品ならではの解釈を添えながら描く中で
密かにこのデザインが作者として最も気になっており
このデザインに決定した時は想いが昇華したようでした。
更にこのデザインに彫られる模様を30案ほど展開し
とてもデリケートな制作工程を大切に想定しながら…と
これだけでも相当の時間が費やされてしまいましたが
ブレスレット、ピアス、イヤリングも全て同じデザインで
追加の御注文を頂き、汎用性も高い意匠と証明されました。
下地の模様にワンポイントの彫刻を施すことで
金属のレースとしての解釈がより映える事となり
公式の場でも遜色のない仕上がりになっております。
肌が当たる内側は光沢を抑えたマット加工が施され
金属ながらも優しい肌触りとフィット感が得られました。
クラスプは縦にスライドする事で着脱出来る
強力な磁力を用いた留具が採用されています。
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そしてブレスレットもパーツ数以外は同じ工程で
何ひとつの滞りもなく仕上げる事が出来ました。
ブレスレット単体でもかなりの存在感がありますが
その存在感が決して主張し過ぎることがないのも
レースをモチーフとした繊細さによる所でしょうか。
ゴールドとシルバーのコンビネーションによる
同じパーツを左右対称に配して連ねることにも
気品を表現するアプローチがあるように思えます。
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ネックレスとブレスレットは全て丸カンで繋いでますが
ピアスとイヤリングでは連結に丸カンは不適切ですので
本体に少し角度をつけた直結の状態で固定してあります。
ピアスは丸カンにU字の金具を取り付けてぶら下げ
ほんの僅かな動きでも優雅に揺れる感じが素敵です。
ネックレス、ブレスレット、ピアスの3点に関しては
裏側は同様の艶消しフィニッシュが施されていますが
イヤリングは独自のスラップで模様を描いてあります。
この独自のスラップ加工は15年位前に発見したものの
メインフィニッシュとして登場する機会は少ないですが
最終的にロジウムメッキを施すものに有効だったりします。
こちらは装着した時の絶妙な角度に合わせて
イヤリングの金具を取り付けてありますが
ピアスのように真っ直ぐ正面に向くのではなく
このケースに収めてあるような斜めの角度にて
耳に巧くフィットするように考慮されています。
同じ耳元の装いもゆらゆら揺れるピアスと
耳にピタリと収まっているイヤリングとでは
随分と印象も異なり各々の華やぎがあります。
その全てにおいてゴールドとシルバーによる
上品な煌びやかさを表現する事が出来ました。
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東京国立博物館(平成館)にて開催中の特別展「縄文 1万年の美の鼓動」を観覧してきました。
今回の目玉はなんといっても縄文美の最たるものとして
真っ赤な展示室に集結した史上初となる国宝6優品。
中でも推土偶「仮面の女神」と「縄文のビーナス」が
7月31日からは追加展示され、絶好の機会となりました。
何のために作られたのか等は全て推測する事しか出来ない。
色んな人の目に映ることで未だ誰も気づかないことに
新たなる発見が導き出されるかもしれません。
大胆な造形と繊細な文様の組み合わせからなる土偶。
個人的には「ハート形土偶」は梟の仮面
そして「仮面の女神」は蛇の仮面なのではないか
(直観的第一印象レベルの話ですが)と思ってます。
という訳で、本展の第一目的は「仮面の女神」でした。
プリミティヴな縄文造形の中に見え隠れする蛇の存在。
土偶や土器の縄目文様は蛇の鱗を表しているとされるし
造形そのものとして蛇形や蛇模様として多く登場する。
そして蛇の頭部を三角形で表されることがある。
「仮面の女神」の逆三角仮面は蛇を模したものではないだろうか。
いつの頃からかそういう風に漠然と思い描きながらも
実物の「仮面の女神」を目にする事が出来ずにいましたが
今回こうして実物を見る事で確信を得たとは言えないまでも
この考えをこのブログにて発信してみることにしました。
田中清文氏著による『仮面の土偶』にて
「仮面を被った女性シャーマン」であり
「土偶はみな仮面を被った姿」と発想されている。
仮面と蛇との繋がりに関する記述はありませんでしたが
女性シャーマンが信仰の対象である蛇の面を被るのは
あり得るかもしれない…と、この本を読んでの感触です。
真実を解明されることが決して無い事でも
こうして想像してみるのは面白いですね。
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縄文の造形で驚かされる事のひとつに空洞の工夫がある。
アザラシともペンギンとも見える「動物形土製品」は
描かれた模様と空洞の穴が巧く一体化されていたりする。
「縄文のビーナス」も、ひたいの上部に空けられていて
これがまた原始的とは言い難いほど巧みなのである。
プリミティヴというと素朴・単純・幼稚といった括りもあるが
その本能的な造形表現は、外国との交流も少なかった時代に
極めて混じり気のない純粋さから成る独創的な美(表現)が
1万年もかけて縄文時代に安定的に育まれたのでしょうか。
来月辺りから来年の干支「亥」の制作も始まるので願掛けに
猪がモデルとされる「猪形土製品」のカードを購入しました。
他に気づいたことをメモ代わりに記しておくと…
「縄文の女神」の上半身には対称的に空けられた穴があるが
あれは縄で別のパーツが括られていた痕跡ではないかと思った。
あの美しいボディラインと下半身の模様に比べ顔無しでは
いくら大胆な造型美の縄文土偶とはいえ物足りなさがある。
実は別のパーツで顔もしくは仮面などが表現されて
縄か何かで括られていたのではと思ったりしました。
…だとしたら一体どんな感じだっただろう。。。
まるでミロのヴィーナスの失われた腕の推測のよう。
アプリとかで色々と公募してみたら面白そうですね。
夕方に入場した展覧会場も出る頃にはすっかり暗くなって
月夜を背景に「表慶館」が美しく浮かび上がっていました。
会場:東京国立博物館(平成館)
会期:平成30(2018)年9月2日(日) まで