春は別れの季節などと云われたりもしますが
この春お気に入りの愛車とお別れしました。
この車を購入したのは今から23年前の1998年。
90年代の国産車は似たような顔した車が多く
またマニュアル車もほとんど姿を消していた中
某カー雑誌の最後のページで紹介されていたのが
この光岡自動車によるViewt~ビュートだった。
Viewtのデザインは、日産マーチをベースに
英国車のジャガーMk2をオマージュしており
マーチの完成車からボディの内外装を分解し
1車両ずつ手作業によりカスタマイズされるため
納車まで3~4ヶ月ほど要したと記憶している。
トランスミッションは5速MTのタイプで
この辺りは「さすが日産クオリティー」
エンジン共々23年間で不具合などは
一度も生じることはありませんでした。
Viewtの特徴の1つでもあるメッキパーツが
外装の各所にポイントのように施されていて
無骨になりがちな金属パーツとの好バランスで
上質感のあるデザインに仕上げられています。
当時(2000年以前)はとても珍しがられ
対向車の運転手さんを振り返らせてしまったり
なぜか歩行者の方々が手を振ってくれたり…
そんな事をしばしば経験した優しい車でした。
街でViewtをよく見かけるようになってからも
この青い色のViewtと出逢うことはなかったが
(もし私的な事情が許されるのであれば)
今ならアースカラーをベースにした感じや
2色使いのバイカラーなんかに塗装すれば
あと数年楽しませてくれたかもしれません。
このフロントフェイスの美しい曲線プレスは
光岡自動車の誇り高き技術の1つである…と
当時の販売員の方が話されたのを思い出します。
個人的にはこの辺りから眺めた感じの
フワっとしたボリュームと優しいラインに
美しい仕事してるなぁと惹かれていました。
現在までViewtが様々な経緯を辿っている中で
個人的に最も光岡自動車さんらしいと思ったのが
2002年の2代目マーチK11型の生産終了に伴い
2003年以降は状態の良い中古車を用いての
メイクアップ車(光岡認定中古車扱い)として
Viewtを継続させたのは素晴らしい取り組みでした。
2013年に認定中古車の販売は終了しましたが
この青いViewtをベースにしたメイクアップ車を
近年になって思い描いていた日々もありました。
2009年以降は保安基準(外装の技術基準)の改定で
バンパーのオーバーライダー等が突起物扱いとなり
そういった面でもレアなモデルとなりつつあった。
1998年式ですからオーディオはカセットテープです。
当時は20本くらい積んで音響も微調整していました。
iPodの現在を思えばなかなか面倒な事ですが
限られた時間の中に自分の思いを込めるように
曲順を構成しながらテープにダビングする作業も
ドライブには欠かせない準備の1つでしたね。
オプションの木目パネルによるワンポイントは
当時のヴィンテージ好みには心くすぐられました。
光岡自動車さんの「小さな工場には夢がある」
というキャッチフレーズも凄く好感がありました。
「将来自分で工房を持った時に使っても良いですか?」
と納車時に販売担当者さんにお伺いしてみたところ
「どうぞ是非とも使ってください」と快諾して下さり
くりから工房のキャッチフレーズは1999年以来
「小さな工房だから出来る事があります」になりました。
↑この話はひょっとしたら初めて明かしたかもしれません。
小さな工場には夢がある
【光岡自動車 Viewt 現行モデルWebSite】
Wikipedia【 光岡・ビュート】